1月, 2023年

がんと診断されたら

2023-01-29

がんと診断されたら日本人の2人に1人が生涯に一度はがんになるといわれる時代です。実際にがんと診断されたとき、心身にはどのような影響が及ぶのか。
健康なうちから知っておきたい心構えを専門家に聞いた記事が2022年12月24日の日経新聞に載っていました。


がんと診断されたら「がんの診断・告知は、患者さんの心に爆弾が投げ込まれるようなもの」と国立がん研究センター中央病院(東京・中央)支持療法開発部門長で精神腫瘍科医長の内富庸介医師は話しています。
がんと診断された人の多くはそれだけ大きな衝撃を受け「告知されたあとはどうやって帰宅したか覚えていない」という声もよく聞かれます。

がんの診断から1〜2週間程度は、がんであることを否定したり、現実を受け入れようとしたりする不安定な状態が続き、この否認と受容の間で揺れ動きながらも、次第に適応して、現状を知ろうとしたり、治療に取組もうとしたりするようになっていくそうです。
ただし、適応の段階に至るのが難しく、気分が沈んだまま何もする気がしない状態が続いてしまう人もいます。
内富医長によれば「6人に1人が適応障害となり、さらにうつ状態になる人も同程度いる」といっています。


がんと診断されたら2週間以上たっても不安で仕方がない、よく眠れない、食欲がない、考えがまとまらない、消えてしまいたいような気持になるといったことが続く場合は、適切なケアや治療が必要になるので、「まずは主治医や看護師のほか、がん診療連携拠点病院や地域がん診療病院に設置されたがん相談支援センターに相談をしてほしい」と内富医長はいっています。

治療を受ける上では主治医との積極的なコミュニケーションが重要です。「何を聞けばいいのか分からない」という人も多いので、国立がん研究センターでは医師との面談時によくある質問を網羅的にまとめた冊子を作成しているそうです。

現在は医療の進歩によって克服できるがんが増えてきています。がんに直面した時には、前向きに治療に取組むためにも、心のケアの重要性を覚えておきたいと記事の最後には書いてありました。

配信 Willmake143

date: 2023/01/ 1:00am

口内細菌とがん転移

2023-01-29

口内細菌とがん転移がんと診断された人にとって最も恐ろしい言葉は「転移」だと思います。
がん細胞が原発部位を離れて人体の別の場所へ移動する転移は、がんによる死亡例の90%で見られます。最近、この過程に関与している意外な要因が浮上したそうです。

フソバクテリウム・ヌクレアタムというありふれた細菌は、通常は何の害も及ぼさずに歯茎にすみ着いているのですが、一部の大腸がんや食道がん、膠臓がん、そしておそらくは乳がんについても、転移を助けているらしいそうです。
日経サイエンス社から2022年12月20日に出版された「こころとからだの健康読本」という本に書いてありました。本書は月刊誌「日経サイエンス」に連載中の人気コラム「ヘルス・トピックス」の記事を主体にした健康科学のアンソロジーです。

フソバクテリウム・ヌクレアタムという細菌が血流に乗って移動し、がん細胞の表面に存在する糖の分子に結合して感染しうることが、実験と実際の患者を調べた研究で示されています。
感染すると、がん細胞に移動を引き起こすことが知られている様々な信号と免疫応答が生じます。がんの進行にマイクロバイオーム(微生物叢)が及ぼす影響は注目の研究分野であり、フソバクテリウムの研究はそこに新たな理解を加えるだろうということです。また、斬新な治療法に道を開くかもしれないとも言われています。

この菌は、健康な人の口のなかでは、口内微生物社会の一員としておとなしく暮らしています。
だが歯科衛生が行き届かず糖尿病その他の疾患を放置していると、素行不良となって歯周炎や扁桃炎、虫垂炎、さらには早産を引き起こすのだそうです。

結腸直腸がんとの関連が初めて浮上したのは約9年前、この菌のDNAが大腸がん組織に通常よりも多く存在することを2つの研究チームが発見したことによります。
その後、がん細胞へのこの菌の感染が厄介事であることが数十件の研究で判明しました。膵臓がんと食道がん、大腸がんの予後の悪さと関連づけられているほか、


口内細菌とがん転移食道がんと大腸がんについては抗がん剤治療が効きにくくなり、大腸がんの転移とも関連が見られるとのことです。大腸がんは世界で3番目に多いがんで、死亡数では2番目です。

「フソバクテリウムはがんの原因ではないが、その進行を加速しうると考えられる」とイスラエルにあるヘブライ大学の微生物学者バクラック先生はいっています。

配信 Willmake143

date: 2023/01/ 1:00am

フレイルを防ぐために今からできること

2023-01-24

フレイルを防ぐために今からできること年をとって寝たきりになるのは困ると思っている人は多いはずです。でも、寝たきりになるずっと前からその前兆である「フレイル」は始まっています。
フレイルとは、活動性や意欲の低下を含めた「心身の衰え」のこと。心身の衰えというと「わかっていても手の施しようがない」と思っている人も少なくないかもしれませんが、滋賀県立大学人間文化学部生活栄養学科の今井絵理准教授は、早い段階の対策が重要だと日経ヘルス2023年冬号で話しています。


フレイルを防ぐために今からできることまた、「放っておくと筋肉量が低下するサルコペニアや寝たきりの要介護状態に発展することもある。そうなってからでは回復するのは難しいので、その前段階のフレイルにすらならないよう、できるだけ早い時点でフレイルにつながる要因や予防策を見つけて対策に着手することが必要」と話しています。

今井准教授らは、地域在住の60歳以上の男女2614人のうち有効回答の得られた1007人を対象に、7年にわたって追跡した前向きコホート研究のデータを基に、日本人の食事や運勁といった生活行勣とフレイルの関係について調査を始めたそうです。

そこからわかってきたのは、フレイル予防にはどんなたんぱく質が重要ということでした。
たんぱく質は体を支える筋肉量の維持に不可欠で、筋肉以外にも皮膚や血管、骨、ホルモンなど全身を構成する材料として、またエネルギー産生の材料としても使われます。


フレイルを防ぐために今からできることところが、「植物性たんぱく質の摂取量は多くても少なくてもフレイルのリスクに大きな影響を与えなかったが、動物性たんぱく質の摂取量が少なくなると、明らかにフレイルの危険度が高くなった」と今井准教授は説明しています。

高齢になると粗食でいいと考える人もいるかもしれまいが、肉や魚などの動物性たんぱく質を摂るようにすると効率よくフレイルリスクを下げられるといえそうです。

配信 Willmake143

親不孝介護

2023-01-18

親不孝介護

年末年始の帰省で親御さんの顔を久しぶりに見て、介護について改めて考えた方も多いのではないでしょうか?
ビジネスパーソンが仕事と介護をどのように両立していくかについて、遠距離介護を実践した日経ビジネスの編集者とブリジストン、電通、コマツなどの企業で従業員の介護相談を行ってきた川内潤さん(NPO法人となりのかいご代表理事)が語り合った本「親不孝介護 距離をとるからうまくいく」を日経ビジネス2023年1月9日号が紹介しています。

介護と仕事をうまく両立するには、一にも二にも、親の要介護状態の「早期発見」と公的支援の「早期導入」だそうです。

ところが、公的支援の窓口となる「地域包括支援センター(包括)」の存在が知られておらず、しかも「この程度で支援を要請していいのか?」とためらう人が多いのだそうです。

包括に相談するにしても、親が今どういう状況かうまく伝えるのは案外難しいので、右のチェックシートを使ってくださいと書いてありました。
親不孝介護

配信 Willmake143

脳の健康を維持するには

2023-01-09

脳の健康を維持するにはもの忘れをしたり、たまに人の名前が出てこなくなったりすると「ひょっとして認知症が始まっているでは」と心配になるものです。
そんな不安に応えるように脳の健康状態や「脳年齢を調べてくれるサービスが続々と登場していると2023年1月4日付の日経新聞が伝えています。


脳の健康を維持するには製薬大手のエーザイが2020年に始めたセルフチェックツール「のうKNOW」もその一つです。利用者はパソコンやタブレットの画面でトランプカードが次々にめくられるのを見て、カードが前にも出たものかなどの質問に「はい」「いいえ」のボタンで答えていくものです。
約15分でチェックが終わると集中力や記憶力のスコアと「脳年齢」が表示されます。

脳の状態を知るには、医療機関で脳画像を撮ってもらうのも有効です。従来の脳ドッグは脳卒中などの血管性の病気や脳腫瘍を見つけるのが主な目的だったのですが、近年は、脳の萎縮など認知症リスクの診断を希望する人が増えているそうです。

こうした需要に応えるため東北大学発スタートアップのCogSmart(コグスマート、東京・千代田)はフィリップス・ジャパン(東京・港)と組んで、脳の健康状態や認知症のリスクを早期発見する、脳ドッグ用のプログラム「BrainSuite」を21年に始めています。運動と脳の健康の関係も近年注目されています。

筋肉から分泌される「マイオカイン」と総称される物質が脳の健康に効果があるという研究が相次いでいることも影響しているとのことです。
筑波大学征矢英昭教授(運動生化学)が10分程度の軽い運動でも脳の海馬が刺激されて記憶力が高まったり、ややきつい程度のランニングで、脳の前頭前野が活性化したりするとの研究成果を上げています。


脳の健康を維持するには運動を取り入れた認知症予防プログラムとして知られるのが国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)が開発した「コグニサイズ」です。暗算やしりとりなど脳に認知的な負荷がかかる状態で、ウォーキングやバイクこぎなど体を動かす予防プログラムです。
エーザイが脳のチェックに続いて開発した運動プログラム「ブレパサイズ」も、音楽に合わせて体を動かしながら知的課題に取組むという「デュアルタスク」の方式です。運動を取り入れた脳トレは、運動の強度や続けやすさなど自分に合ったものを見つけて挑戦して下さい。

配信 Willmake143

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