12月, 2022年

「こぶし1個分」長い歩き方を

2022-12-16

「こぶし1個分」長い歩き方を身近で簡単にできる健康法として中高年に定着しているウオーキング。最近の研究では、要介護の一歩手前のフレイル(加齢に伴い心身の機能が低下した状態)予防のため、歩き方やバランスが一層注目されています。
老いに負けない、「こぶし1個分」長い歩き方を2022年12月8日の毎日新聞が紹介していました。

フレイルは、介護が必要になる兆しとして注目されています。特徴として「疲れやすさ」「活動性の低下」などの五つが挙げられますが、老いの状態を総合的に反映しているとされるのが「歩行速度の低下」です。
歩く速さは65歳以降から徐々に低下し、男性は80歳以降、女性は75歳以降になると、日常生活にも支障をきたす人も出てくると言われています。

米ピッツバーグ大の研究グループが高齢者約3万4500人を6〜21年間にわたって調べたところ、歩行速度が速い人ほど生存率が高く、遅いほど低くなるとのデータが得られたといいます。

フレイル予防につながる歩き方はあるのか?

花王と国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)は今年7月に発表した研究成果で、健康な状態とフレイルの前段階との境目は、歩数の場合は1日6342歩、日常歩行速度で毎秒1.06メートル(時速3.8キロ)が目安との調査結果を示しています。


「こぶし1個分」長い歩き方を研究では、要介護でない60〜91歳の約1700人を対象に、厚生労働省作成の基本チェックリスト(日常生活の様子など25項目)を用いてフレイルの前段階かどうかを判定し、歩数や歩行の速度を2週間計測して調べています。
「この境界値以上を目安に生活することでフレイルが進むリスクを減らせる可能性がある」としています。

体に痛みがないことを前提に、筋力アップのため、普段の歩幅にもう10センチ足すつもりで歩いたり、姿勢を正した上で腕を後ろに大きく引いて歩いたりすることも勧めています。

「イキイキ!! 大また歩き」とのキャッチフレーズで、体力づくりを勧めている神奈川県も歩幅に「こぶし1個分の長さ」を加えるイメージで歩くよう提唱しています。

配信 Willmake143

健康保険証とマイナンバーカードの一体化

2022-12-12

健康保険証とマイナンバーカードの一体化健康保険証とマイナンバーカードの一体化―。岸田政権が10月、突如打ち出した方針には賛否さまざまな意見があります。なぜ保険証は廃止されるのか、切り替えにはどんな手続きが必要かについて2022年12月8日の朝日新聞が伝えています。
政府は2024年秋をめどに現在の保険証を廃止し、マイナンバーカードを保険証としても利用する「マイナ保険証」に一本化する考えです。今は従来の保険証とマイナ保険証の両方が使えます。

Q どんな利点があるの?
A まず、本人が同意すれぱ、過去の自分の診察記録や服薬のデータを医師らに提供できる。
これまで、受診した医療機関とは別の医療機関で受けた過去の診察内容を把握するには、本人の記憶に頼ったり、お薬手帳で確認したりする必要がありました。

Q 手元のマイナンバーカードをそのまま使えるの?
A マイナ保険証として使うには登録手続きが必要です。パソコンやスマホのほかコンビニのセブンイレブンなどに設置されている「セブン銀行ATM」でも手続きができます。
 
Q どの医療機関でもマイナ保険証は使えるの?
A マイナ保険証に対応した専用のカードリーダーが設置された医療機関に限られます。 11月27日時点では全医療機関の36%程度です。
診療所に限ると25%程度にとどまっています。医療機関の対応が遅れていることから、厚生労働省は来年4月に原則すべての医療機関でマイナ保険証への対応を義務化することにしています。


健康保険証とマイナンバーカードの一体化Q 紛失したら情報が流出する恐れはないの?
A マイナカードには氏名、住所、生年月日、性別、マイナンバーと本人の顔写真が記載されているけれど、カード自体に医療情報などは人っていません。
ただ、カードのICチップ内の電子証明書を使い、オンラインで保管情報につながります。
薬剤情報や特定健診の記録などは、各管理者が別々に保管していてマイナカードで閲覧できる個人情報がまとめて漏れることはないと厚労省は説明しています。

Q 勝手に使われないの?
A マイナ保険証の場合、医療情報の閲覧ができる医療機関かマイナポータルからのみです。
カードを盗まれたとしても、パスワードを知られていなかったら勝手に閲覧されることはありません。不審な動作が続けばマイナカードのICチップ自体が壊れる仕組みです。

配信 Willmake143

お米好き男性は心筋梗塞少ない

2022-12-09

お米好き男性は心筋梗塞少ない主食に米を摂取することは、日本人の健康にどのような影響を及ぼしているのか。岐阜大学などの研究者たちが、約3万人の日本人データを用いて分析しています。
男性では米の摂取量が多い人ほど心筋梗塞や狭心症、脳卒中などの死亡リスクが低いことが分かったと日経ビジネス2022年12月5日号が伝えています。

和食は洋食よりも心臓や血管の健康に良いと考えられています。日本人は長い問、主食に米を食べてきましたが、近年、食事の西洋化が進み、米の摂取量は減少しています。
主食に米を摂取することが日本人の健康に及ぼしている影響を検討するために、岐阜大学などの研究者たちが、岐阜県高山市の住民の食習慣と心血管疾患(心筋梗塞、狭心症、脳卒中など)による死亡の関係を検討したところ、男性では、米の摂取量が多い人ほど心血管疾患による死亡リスクが低いことが明らかになりました。

世界的に、全粒穀物の摂取が心血管疾患による死亡リスクを下げる可能性を示した報告は複数あります。しかし、ほとんどの日本人が通常食べているのは白米であり、精製小麦を使った自いパンやうどんです。
白米の摂取が心血管疾患のリスクに影響を及ぼすかどうかを調べたこれまでの研究では、一貫した結果は得られていませんでした。

米は通常、味噌汁や他のおかず(副食)と一緒に提供されます。研究者らは、主食として米を食べる際の副食の影響も考慮して、米の摂取と心血管疾患による死亡との関係を調べ、パンや麺を主食とした場合と比較することにしました。

分析の対象となったのは、高山市の住民を対象として1992年9月に始まった高山スタディに参加した人たちです。
参加時の年齢が35歳以上で、質問票を用いた食物摂取頻度調査を完了していた3万1552人のうち、がんと心血管疾患のいずれかを経験していた人を除外しました。


お米好き男性は心筋梗塞少ない残った男性1万3355人と女性1万5724人について、2008年10月1日まで平均14.1年追跡したところ、男性778人、女性907人が心血管疾患で死亡していました。 
米の摂取が多かった人に比べ、少なかった人は、男性の場合、糖尿病または高血圧の既往歴のある人が多く、運動量が少なく、飲酒量は多く、食物繊維と塩分の摂取量が多い傾向が認められました。
女性では学歴が高く、アルコールとコーヒーの摂取量が多く、食物繊維と塩分の摂取量が多い傾向がみられました。

配信 Willmake143

冬の皮脂欠乏症

2022-12-05

冬の皮脂欠乏症冬は肌の乾燥に悩まされる季節です。特に皮脂の分泌や角質層の保湿成分が減少する中高年は乾燥しやすく、悪化すると、かゆみや湿疹を引き起こします。
2022年12月3日の日経新聞は、そんな肌トラブルの「皮脂欠乏症」についての記事を載せていました。


冬の皮脂欠乏症外気が乾燥する上に暖房器具を使う冬は一年で最も肌が乾燥しやすい。人によってはカサカサして白い粉をふいたようになり、症状が進むと、かゆみを伴います。
これは中高年によく見られる「皮脂欠乏症」という肌トラブルです。

東京女子医科大学の川島眞名誉教授によると「特に発症しやすい部位は皮脂腺が少ない脚のすね。次いで腰回り、お尻、太もも」。
乾燥する理由は「角質細胞間脂質、天然保湿因子、皮脂膜がいずれも減少するから」だそうです。これらは皮膚の一番外側にある、わずか0.02世虜挧Δ僚鼎覆蝓角質層に存在しています。

では乾燥が進むと、なぜかゆみが生じるのか。国立国際医療研究センター病院(東京・新宿)皮膚科の玉木毅診療科長は「角質層には本来、外部刺激から肌を守るバリア機能が備わっている。水分保持能力の低下とともにバリア機能も低下し、刺激を受けやすくなる」と説明しています。
また、玉木診療科長は「かゆいからかくと、角質がさらにはがれてバリア機能が低下し、ますますかゆくなる。こうした悪循環になると、湿疹ができてしまうので要注意」と警告しています。

重症化した湿疹は、ステロイド外用薬で炎症を鎮める治療が必要になります。そうなる前にまず心がけたいのは保湿です。
肌をできるだけ乾燥させない生活習慣も大切。入浴時に洗浄剤をたくさん使ってゴシゴシこするように体を洗うのは厳禁です。


冬の皮脂欠乏症「不潔にしているからかゆいと思い込んで、ナイロンタオルで強くこすり洗いする人がいるが、これは逆効果。
角質がはがれて余計にかゆみを招く」(玉木診療科長)
「乾燥気味なら洗浄剤を使うのは一日おきでよい」と勧めています。入浴後は体を拭いたらすぐに保湿剤を塗るのが鉄則だそうです。

配信 Willmake143

免疫老化とは

2022-12-01

免疫老化とは年をとるとともに感染症にかかって重症化しやすくなります。ワクチンの効果も下がりがちです。その一方で、過剰な免疫の働きともいえる自己免疫病は増えるのはなぜか。
がんや糖尿病などにもかかわる「免疫老化」の研究が進みつつあると2022年11月25日付の朝日新聞が伝えています。

京都大の浜崎洋子教授らは、65歳以上の高齢者と65歳未満の成人それぞれ約100人の協力を得て、新型コロナウイルスワクチン接種で起こる免疫反応を調ベています。
接種後の免疫細胞を調べると高齢者グループで、免疫反応にブレーキをかける分子が多い傾向があったそうです。「免疫反応が強すぎると発熱など、体に負担がかかるので、高齢者の免疫反応は『適応』といえるかもしれません。
ただ、高齢者とひとくくりにはできず、個人差が非常に大きいこともわかった」と浜崎教授は述べています。
免疫には、侵入した病原体をいち早く排除する「自然免疫」と敵に応じて戦い、記憶もする「獲得免疫」があります。
偽の病原体で獲得免疫を働かせるのがワクチンです。獲得免疫の応答の低下、炎症が起こりやすくなる、自己免疫病のリスクが上がる、といった変化は免疫老化の特徴だそうです。

免疫の老化の一因は「胸腺」にあります。免疫の司令塔といわれるT細胞を「教育」する器官ですが、その働きは、思春期以降に落ち始めます。40歳代になると、新たに教育されるT細胞は、新生児期の100分の1になるといいます。


免疫老化とは新たなT細胞は増えないので、「古顔」が頑張るしかない。しかし中には「老害」を引き起こすものも出てくるのだそうです。

がん細胞を攻撃する免疫細胞は「キラーT細胞」と呼ばれます。加齢に伴い、免疫の監視機能が低下し、がんになりやすくなるといわれますが、何が起こるのでしょうか。

がん細胞は、キラーT細胞の働きにブレーキをかけて、攻撃から逃れようとします。このブレーキを解除して、免疫の働きを強めてがんを攻撃させるのが、免疫チェックポイント阻害剤です。その開発につながる研究で、本庶先生は2018年にノーベル医学生理学賞を受賞しました。

ブレーキを解除しても、キラーT細胞の働きが落ちていると、免疫チェックポイント阻害剤の効果が期待しにくいそうです。
実際、高齢者は、若い人に比べて免疫チェックポイント阻害剤が効かないことが多いそうです。
本庶先生たちは、高齢マウスにスペルミジンを与えると、キラーT細胞の働きが上がり、免疫チェックポイント阻害剤の効果も高まることを突き止めました。
スペルミジンの補充で、加齢による免疫異常の予防や改善につなげられないか、研究を進めているということです。

配信 Willmake143

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