3月, 2020年

患者になった名医たちの選択

2020-03-31

患者になった名医たちの選択
患者になった名医たちの選択朝日新聞出版社から2020年3月30日に「患者になった名医たちの選択」という題名の親書が出版されました。
著者は読売新聞記者を経て、医学・医療、科学・技術分野を中心に執筆活動をしているジャーナリストの塚?明子さんです。本の「はじめに」には、こう書かれています。

人は誰でも、病気になる可能性がある。病であることを知らされて、心に湧き上がるのは、驚き、惑い、悩み、苫しみ、嘆き、怒り、悲しみ、後悔……。最後は病を受容し、時として諦め、悟りの境地に至るのかもしれない。

では、病の専門家である医師が、自分が病に罹っていることを知った時は、どうだろうか。
自らの病にどう向き合い、どのような選択を下すのだろうか。架空の世界では、名医たちの病気は、しばしばドラマチックに描かれている。

現実の名医たちは、どうだろう。
医師は科学者でもあるから、一般の人よりも冷静に思考するのではないだろうか。
医師が病を克服しようとした経験を共有してもらえれば、病へのより良い対処法のヒントとすることができるのではないか。
そんな思いから、筆を起こした。

しかし、自分が病を得たことは究極のプライバシーであり、公にするには、それなりの覚悟がなくてはならない。そもそも、自らの病気を恥じる医師もいるようだ。
日本人の死因のトップは、がん。日本では、生涯で2人に1人ががんに罹り、3人に1人ががんで命を落とす。
がん闘病を経験したある医師は、「医学界の一部には、医者ががんになるなんて困ったものだという風潮がある」と語る。

幸いにも本書では、「患者・家族」と「潜在患者」(すべての人)の役に立てればという趣旨で、18人の医師が自らの闘病体験を語ってくれた。
その中に、がんになった医師は9人(2人に1人)いる。根治する病ばかりでなく、後遺症として障害を抱えながら生きる医師もいる。思うように動かせない体、見えない目……
不自由と向き合いながら、医師の仕事を全うしている人たちもいる。そして、誰もが、患者としての体験を治療に大きく生かしている。

肺がんの体験を語ってくれた高橋修氏(平和病院緩和支援センター長)が16年前、退院を迎えた日のこと。傷の痛みをこらえながら、小学生だった息子の授業参観に参加すると、「父さん、お帰り」と満面の笑みが返ってきたことを鮮明に覚えている。

本書に登場した18人の医師たちは、病を得た後、なお医師という天職で輝きを取り戻している。だが、それは、医師だからといった単純な理由ではない。

配信 Willmake143

わが家が一番危ない!

2020-03-27

わが家が一番危ない!
わが家が一番危ない!日本人の半数近くが人生の終わりを自宅で迎えたいと考えています。住み慣れたわが家はもっとも落ち着ける場所かもしれませんが、実は数々の突然死リスクをはらんでいるとサンデー毎日2020年3月29日号は伝えていました。

2月11日、ノムさんの愛称で親しまれた元プロ野球監督の野村克也さんが都内自宅の浴室で亡くなりました。
享年84歳。深夜に入浴した際、虚血性心不全を起こし、帰らぬ人となりました。
1月29日にも歌手の梓みちよさんが都内自宅のベッドで亡くなっているところを発見されています。76歳、心不全でした。
全国在宅療養支援診療所連絡会理事で、『平穏死」10の条件』の著者である長尾和宏先生は、「野村さんのようにお風呂で亡くなるケースはしょっちゅうあります。一人暮らしでなくても、家族が目を離した時に亡くなることは珍しくありません」と話しています。
浴室は自宅の中でもとりわけ死亡リスクの高い場所として知られているそうです。

厚労省の「人口動態調査」(17年)によると、家庭内における不慮の事故による死者は1万4671人で交通事故死(5004人)の3倍近くになります。
その内訳は、長らく「転倒・転落」と「溺死・溺水」、「誤えん・窒息」が上位を占めています。このうち「溺死・溺水」の大半が浴室でのケースだそうです。
「多くの人は今日入るお風呂が自分の最期の瞬間だと思わずに生きていますが、『ここが死に場所になるかも』と頭の片隅に置いておくことが重要です。気持ちがいいのでリラックスしたくなりますが、非常に危うい場所だととらえ、気を張っておくことで防げることは多いですから」と長尾先生は記事の中で語っています。


わが家が一番危ない!また、廊下や部屋の境界などにも3大リスクの一つである転倒の恐れが潜んでいます。
長尾先生は「廊下と部屋の数ミリの段差が危ないのです。気を抜いたところで転んでしまい、骨折してそのまま亡くなってしまう人も少なくありません。普段過ごしている部屋からトイレまで、なるべく短く、手すりや壁を伝っていけるのが大事です」といっています。

「長年暮らした住まいだと、無意識レベルでどうしても『大丈夫だろう』となりがちです。
たとえば80歳の方が50年暮らしていたら、30~40代の動ける頃の自分の身体感覚がしみついているわけです。けれど年を重ねれば体は衰えていく。
住まいは変わらないのに体が変わっていくことが感覚的に分からないから、危険性が高まる」のだそうです。

3大リスクの第2位「誤えん・窒息リスク」は、食べ物に絡む不慮の死で、最も警戒すべきは餅と団子です。
高齢になるとどうしてものみ込む力が弱くなるのに、お餅やお団子を食べたがる方が多い。
油断して食べていて、深刻な事故につながったことが数多くあっているそうです。

配信 Willmake143

新型コロナウィルスで気をつけたいポイント

2020-03-21

新型コロナウィルスで気をつけたいポイント
新型コロナウィルスで気をつけたいポイント新型コロナウイルスの感染拡大を受け、外出を控える動きが続いています。
しかし、お年寄りの場合、家に閉じこもることで身体が顕著に衰えていきます。
防ぐにはどうすればいいのか。曰本老年医学会理事で東京大学教授の飯島勝矢先生に注意点を聞いた記事が2020年3月19日の朝日新聞に載っていました。

記事にはこう書いてあります。『テレビばかり見ている、誰かと話すこともない。そんな日々を続けていると筋肉が減り、フレイル(虚弱)が進みます。免疫力や抵抗力、体の回復力も落ちます。
「2週間の寝たきりにより失われる筋肉は、7年間分の量に匹敵する」とも言われます。』
日本老年医学会は、学会のホームページ(https://www.jpn-geriat-soc.or.jp/)に下記のような注意点を掲載していますので、参考にしてください。


新型コロナウィルスで気をつけたいポイント「閉じこもり生活が何力月も続くと、お年寄りのフレイルを進行させると心配しています。
大勢が集まる機会が減る今こそ、家族や友人、近所の人らで支え合ってください。高齢の親や祖父母がいれば、
電話をして、心配ごとを聞くとか、散歩を促すと良いと思います」と飯島先生は言っていました。

配信 Willmake143

奥歯の勤続疲労

2020-03-16

奥歯の勤続疲労
奥歯の勤続疲労「食べ物をかみ砕くなど何かと力のかかる奥歯。40〜50代になると虫歯などダメージが目立つようになる。かみ合わせにも関わり放置すると頭痛・肩こりなど広範囲に影響する。勤続疲労には適切なケアが必要だ」。 こんな記事を2020年3月14日の日経新聞が載せていました。



奥歯の勤続疲労奥歯には食べ物をかみ砕いたり臼のようにすり漬したりする役目があります。前歯に比ベー本一本にかかる力は大きく、また、歯ブラシが届きにくいため手入れがおろそかになりがちです。
免疫力などが弱くなる40〜50代となると虫歯や歯周病など奥歯のトラブルが目立つようになります。
厚生労働省の2016年歯科疾患実態調査によると、50代では6割程度が虫歯などで歯を失った経験があり、前歯より奥歯の方が目立っています。
「長年酷使して勤続疲労が起きている」という指摘もあります。

勤続疲労の一つは、長年そしゃくを繰り替えしてきた負担で、歯根にひびが入ったり折れたりするなどダメージを受けやすくなることです。
歯の勤続疲労のケアを怠ると、虫歯が進行したり、その結果、抜歯を余儀なくされたりします。
奥歯が抜けたまま放置していると、かみ合わせにも大きく影響してきます。
人聞の歯は上下の歯すべてがしっかりかみ合っていることが理想です。だが、かみ合わせがずれると、歯以外にも様々な不調をもたらすことになります。
代表的なのが頭痛と肩こりです。


奥歯の勤続疲労そしゃくしたりかみしめたりするために口や顎の周辺には、いろいろな筋肉があります。
かみ合わせのバランスが崩れてくると、そうした筋肉は過度の働きを強いられるようになります。

上顎から頭部につながる側頭筋に負担がかかり過ぎれば頭痛がおこります。
下顎から肩周りにある咬筋や僧帽筋がこわばると、肩こりにつながります。
奥歯の状態をしっかり良好に保つことは、QOL(生活の質)に直結します。
信頼できる歯科医を見つけて早めに対策することが肝要ですと記事には書いてありました。

配信 Willmake143

「唾液の力」で新型コロナは抑制できる?

2020-03-15

「唾液の力」で新型コロナは抑制できる?
「唾液の力」で新型コロナは抑制できる?新型コロナウイルスが、世界中で猛威を振るっています。感染に対する生体での“水際作戦”として今、「唾液の力」に注目が集まっています。
唾液には、食べ物の消化を助ける酵素のほかに、口に入ってくるウイルスや細菌などの病原体に対する防御因子が含まれており、感染症の予防や全身の健康維持に重要な役割を果たしています。
唾液・唾液腺研究の第一人者であり、神奈川歯科大学大学院口腔科学講座環境病理学教授の槻木恵一先生のインタビュー記事が2020年3月13日、日経BP社が運営するWebサイト「Beyond Health」にアップされていました。

『唾液成分には、ウイルスや細菌の侵入を防御する作用があるのですか?>』

唾液の99%は水分ですが、残り1%に100種類以上の成分が含まれています。
この中にある抗ウイルス・抗菌作用を持つ免疫物質が、インフルエンザをはじめ様々な感染症から私たちの体を守ってくれています。
唾液中にある免疫物質は、口内に侵入したウイルスにくっつき、免疫物質に取り囲まれたウイルスは唾液の自浄作用によって洗い流されます。



「唾液の力」で新型コロナは抑制できる?感染防御には口腔内の環境も重要で、1日2〜3回の歯磨きで口腔内の衛生を保っておかないと、ウイルス感染を助長することになります。
口腔での感染予防には、唾液中にあるIgAという抗体が免疫物質の中で最も重要な役割を果たしています。
IgAは免疫物質の一種であり、唾液をはじめ、母乳、涙、鼻汁、腸内などに存在しています。IgAは、様々な種類の病原体に幅広く反応して、生体を防御しています。

唾液中のIgAが低下していると、上気道感染症(いわゆるかぜ)を引きやすくなるなど、呼吸器系の感染症にかかりやすい状態になります。
IgAのレベルが高い人は感染しにくく、低くなると感染しやすいことは、よく知られています。
このIgAがコロナウイルスの感染予防にも有用である可能性があります。槻木先生はこのように述べていました。

配信 Willmake143

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