東大教授、若年性アルツハイマーになる

2022-02-04

東大教授、若年性アルツハイマーになる2022年1月12日に講談社から『東大教授、若年性アルツハイマーになる』という本が出版されました。
脳外科医で、東京大学の国際地域保健学の教授を務められた故・若井晋先生(2021年逝去)の奥様の若井克子さんが、50歳代半ばで若年性アルツハイマーを発症された先生との「人生という『旅』」」を丁寧に記録したものです。

「認知症に直面し悩み続けた私たちが、何をきっかけにどう変わり、病と付き合えるようになったのか、ありのままを記しました。
老いや死を避けることはできません。でも、人は変わることができるし、新たな望みを見つけて旅を続けることができる──私はそう思います。
わずか一事例にすぎませんが、いままさに私たちと同じ立場で苦しんでいる方が、ここから少しでも希望をくみ取ってくださることを願いつつ……」とプロローグに記してあります。本文には、克子さんの言葉として、次のようなものがありました。

晋は若年性アルツハイマー病になって、知識を、地位を、職を失った。
それは、世間からは「地獄」に見えるのかもしれない。だが私には、むしろ、すべて失ったことで「あるがまま」を得て、信仰の、人生の本質に触れたように感じられるのだ。

おわりに晋が自身の著作で引用した一節を私も引いて、この長い長い旅の締めくくりとしたい。
蝶はせまってくる死にいささかもうろたえない。自分が生まれてきた目的は果たし終わった。
そして今やただひとつの目的は死ぬことにある。だから、トウモロコシの茎の上で、太陽の最後のぬくもりを浴びながら待っているのだ。(フォレスト・カーター「リトル・トリ―』)


東大教授、若年性アルツハイマーになる病は人生の一過程に過ぎない。

認知症になっても、私は私であることに変わりはない――。

認知症患者800万人時代を生きるための必読書かもしれません。

配信 Willmake143

Copyright© 2010 ARAKI DENTAL CLINIC, All Rights Reserved.