マスク熱中症

2020-06-10

マスク熱中症
マスク熱中症新型コロナウィルス感染予防のため、政府が示した「新しい生活様式」にマスクの着用が盛り込まれましたが、夏のマスク着用による健康被害を防ぐことも課題となっていると2020年6月8日の朝日新聞が伝えていました。

熱中症に詳しい帝京大医学部付属病院の三宅康史・高度救命救急センター長は「われわれは、夏場に大勢の人がマスクをつけて過ごすという、全人類が経験したことがない夏を迎えることになる」と指摘しています。
マスクをつけていると、吐いた息がマスクでブロックされたり、呼吸で温まっているマスクを通じて息を吸ったりすることで、体がより熱を持ちやすくなってしまいます。

また、マスクをつけていることで呼吸に負担がかかり、肋間(ろっかん)筋や横隔膜を必要以上に働かせることになり、運動しているのと同じ状態となるため、体温が上がって熱中症のリスクを高めるのだそうです。


マスク熱中症6月1日には、三宅先生も所属する日本救急医学会や日本感染症学会など4学会が共同で、「新型コロナウイルス感染症の流行を踏まえた熱中症予防に関する提言」を発表しました。
温度調節については、一般には室温が28度、湿度が70%を超える場合はエアコンの使用が勧められていますが、これはあくまで目安で、「日中は自分が最も過ごしやすく、夜はぐっすり眠れる温度を見つけて調整することが大切」だということです。

マスクの着脱も、状況に応じて行い、交通機関や公共施設、スーパーなど屋内でも人の多い場所ではマスクの着用が求められるが、そうした場所では冷房が効いているため、熱中症になるリスクは低いはずです。
注意が必要になるのは、屋外での移動や活動をするときです。人との距離に配慮した上で、マスクを適宜はずして、休憩を取るようにしましょう。


マスク熱中症一人暮らしの高齢者など熱中症のリスクが高い人とは、頻繁に連絡を取ることも重要だと、三宅先生は強調します。高齢者は基礎代謝が落ちることで、熱産生量が低くなり、体温も低下するので、気温が高くなっても暑いと感じにくい。
そのため、「猛暑日や熱帯夜が数日続いたときに、気づかぬうちに熱中症になり、救急搬送されるケースが多い」そうです。
そうした事態を避けるためには、例えば、室温が高まる午後2時に電話をして、エアコンをつけているかを尋ね、つけていなければスイッチを入れるように促す。
さらに、2〜3時間後にも再び電話をして、エアコンがついているか確認するくらいの世話焼きが必要だと、三宅先生は話しています。

配信 Willmake143

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