認知症予防に腸内細菌

2019-02-02

認知症予防に腸内細菌
認知症予防に腸内細菌腸内に特定の細菌が多い高齢者は、そうでない人と比べて認知症の発症リスクが10分の1と大幅に低い可能性があることが、国立長寿医療研究センターもの忘れセンターの佐治直樹副センター長らの研究でわかったと2019年2月1日の毎日新聞が伝えていました。



認知症予防に腸内細菌同研究成果は2019年1月30日に英国科学雑誌「Scientific Reports」に掲載され、同日に米国の学会ニュースでも配信されました。
人の腸には1千種類以上、約1キログラムの細菌がいて、年齢で構成割合が変わります。
研究チームは2016年3月から1年間に、もの忘れセンターを受診した患者さんに認知機能検査や頭部MRI検査などを実施し、検便サンプルを同センターのバイオバンクに収集しました。
そして微生物解析の専門企業である株式会社テクノスルガ・ラボに検便サンプルを送付し、T-RFLP法(糞便から細菌由来のDNAを抽出し腸内フローラを網羅的に解析する手法)を用いて腸内フローラを解析しました。

更に、腸内フローラと認知症との関連について、有効なデータが得られた60〜80代128人分を統計学的に分析したところ認知症でない人は、「バクテロイデス」という種類の細菌(腸内のいわゆる日和見菌の一種)が多いことが判明しました。
これが腸内細菌の3割超を占めるグループには認知症を発症していない人が多く、リスクは10分の1と見積もられました。一方で種類の分からない細菌が多い人はリスクが18.5倍に上ったそうです。



認知症予防に腸内細菌今後は「東北大学と共同で、食事習慣・栄養の視点からも腸内フローラとの関連について調査を進める予定」(同センター)となっています。
腸内細菌が認知機能に関連するという新しい知見は興味深く、腸内細菌の詳細な解析が認知症の治療法や予防法の開発のための新たな切り口になるかもしれません。

配信 Willmake143

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